5年の歳月

「十年ひと昔」と言われてきたが、わずか1年でも変わるときは変わる。

『来たくなったら自分で探そう』を出版して今(2021年7月)で5年余りが経つが、

函館西部地区の、出版時の予想を超えた変わり様に驚きを禁じ得ない。


ただこの本は、へそ曲がりなガイドブックで、

詳細な「お店情報」などとは無縁だから、

復活した「幻ホテル」の記事以外は、さほど陳腐化はしていないと思う。

本で取り上げなかった場所で言えば、いちばん変化の大きかったのは、

ベイエリア「函館西波止場」の後ろの海辺だろうか。

着工は4年ほど前で、インバウンドも意識してのことだと思うが、

大がかりな工事が行われ、美しい憩いのスペース

(横文字ではプロムナードと言うのだろうか)に生まれ変わった。

それとは引き換えに、大間行きフェリーターミナルの遺構が

きれいさっぱり撤去されてしまった。

旅行で初めてやってきて、以前の風情ある姿を知らなければ、

ピカピカで快適、眺めもいいね、ということになるのだろうけど

個人的には町の年輪が消されるようで淋しい。

大間行きフェリーターミナルが、七重浜方面に移転し、

使命を終えたのは1976(昭和51)年のことだというから

実に40年以上も隠居生活が送れてきたのだ。

本当に消えるときは、あっけなく消える。


これとは関係ないが、不思議に思うのは

大改修前のこのエリア、海辺なのになぜか潮の香りがしなかったのだが

大改修後は潮の香りを感じるようになった。

たぶん個人的な思い込みかもしれないのだが。

来たくなったら自分で探そう

移住者による超不親切函館ガイド