市電が日常の足、という贅沢
函館は市電の走る町。
ということは、旅行者が胸ときめかせて乗り込む市電を、通勤や通学など、日常の足として当たり前に使っている人がいるということだ。
しかも函館には530号という、昭和から時を越えて走ってきたような車両がある。
この観光の呼び物にしてもおかしくないような電車が、前触れもなくやってくる。
老体をいたわりながら使い継がれるせいなのか、いつもいつも目にするわけではないのだが、その分、これに出くわしたときは、感激もひとしお、ということになる。
(参考までに)
昭和7年には、全国65都市に路面電車が走っていた。このころが全盛期だった。
令和に入った今、路面電車の走る町は20にも満たない。
そしてそのうちのほとんどは民営、つまり私鉄であり、公営の路面電車が走るのは、人口の多い順に挙げると、東京都、札幌市、熊本市、鹿児島市、そして函館市という5つ。
路面電車というと、以前はイコール「市電」という呼び方で通じたが、ホンモノの市電は全国に4つしかない(東京は都電になるから)ということになる。函館は貴重な町なのだ。
なお、函館以外は人口50万人を超える大きな町であり、都道府県庁所在地でもある。
人口25万人ほどの函館が、頑張って市電を走らせているというのは、もっともっと誇ってもいいことだと思うし、これからもずっと走らせ続けてもらいたいものだ。
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